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憂い

 

 

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『悲しみよ  こんにちは』

 

 

サガンさんの作品は、『一年ののち』を一番最初に読んで、この本は二作目

『一年ののち』は、映画『ジョゼと虎と魚たち』の中で、ジョゼが読んでいた本で、ずっと気になっていてやっと読むことができた

 

 

読了したあと、この作品もしかしたら今読むべきじゃなかったかも…とちょっと後悔した

実は、他にも『優しい関係』と『絹の瞳』を買っていて、この本の後じゃ霞んでしまいそうな気がしたから…

 

 

さっぱりしている。絡みつくような描写は少なかったけど、痛いくらいに突き刺さりじわじわ抉ってくる。処女作だし、主人公が17歳の女の子だからかなぁ…

18歳の最初の作品で、こんな凄いものを書いてしまうなんて、びっくりした。乙一さんの『夏と花火と私の死体』も16歳という若さで書かれた作品で、読んだとき感動したことをふと思い出した

 

 

寂しそうで、絶望していて、ゆるい倦怠感に包まれる。雨が降りだしそうな曇りの日、ソファで憂鬱な顔をして、ぼんやり物思いにふける女の子を思わせる

しっとりとして、とても上品、センスを感じさせる文章

背景には終始海があり、夏の太陽が降り注ぐイメージとはかけ離れ、爽やかで乾いた気候と気だるさが混ざりあい、独特なムードが漂っている

膜が張ったような不透明で優しい表面の中身を覗くと、冴え渡るほどに冷えた人間の真理。頭が良く、駆け引きを巧みに仕掛け、精一杯自分を守るセシル

うまく言葉にできない気まずい雰囲気や、心理の先読み、相手への挑戦的な態度、残酷な目線

 

 

 

小さな悪魔と呼ばれていたサガンさんの人柄は、自身の作品にも本当によく表れていて、男性ならずとも沢山の人を自分に溺れさせる危うい魅力を持った女性だったんだろうなぁと思った

 

 

 

新潮文庫サガンさんの作品の表紙が好きで、全部集めたいなぁ…

ベルナール・ビュフェさんの絵が描かれていて、味わいがありおしゃれなところが作風にぴったり

ちょうどいい薄さで、持ち運びしやすいところもいい

読み終わったあと、ふうっとため息をついて、ゆったり余韻に浸ってしまった

初めての感覚で感動したし、嬉しかった

本を読んでると、全く知らない新しい気持ちに出会うことがあって、それがきもちよくてやめられない

様々な作家さんを読めることは、本当に幸せだなぁと感じる

いつまでも本のなかで、ふわふわ旅してたいなぁ…

 

 

 

最近は、窓を開けて本を読んでると頬を撫でる風が心地よくて、いい気持ちで読書ができる。2、3日前は雨の音も聞こえてた

夜中、たまにうとうとなるけど、やっぱり秋は読書が楽しいなぁ…

 

 

 

講談社文庫の『虚無への供物』と、ジェイムズ・ジョイスさんの『ユリシーズ』を読んでる最中で、とても厚くて読みごたえたっぷり

ユリシーズは本当に訳注が多く、行ったりきたりしてる…。訳注だけで、150ページ近くあって驚いた。翻訳をされた方、本当に凄いなぁと思う

 

 

 

朝は気温が下がり、毛布も手放せなくなってきた…。あったかい飲み物も少しずつ揃えていかなくちゃ

時は止まることなく、静かに日常は流れる

知らない間に夏が終わってた