movie book art etc…

三月

 

 





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最近、私が読んだ本の中で二回も緑色が爆発した

一つ目は、「緑色をした気の触れた夏」に12歳のフランキーが。二つ目は、息ができないくらいに魅せられたダグラスが。

破られた「静寂は、緑色の爆発のようだった」

  

心から美しいと思った。緑色は爆発とあまり結び付かないように思う。そよぐ草花や広々と続く森林の穏やかさを保ってる色

でも文学なら想像力でいとも簡単に飛び越え、心を奪っていくことにいつも驚く

二つとも、渦巻く情動の行方を探るように生きてるけど、発し方は曖昧で、見つめる方向は頼りなく弱い。周りに影響を受けながら自分を変化させる様子が高揚感を漂わせる

 

 

 

今紹介したのは、カーソン・マッカラーズさんの『結婚式のメンバー』とレイ・ブラッドベリさんの『いつ果てるとも知れぬ春の日』という作品

二つ目は、もう題名から素敵で、13ページしかないけど、絶望から始まる感情の起伏、終盤にかけての疾走感が素晴らしかった

  

 

 

あまりにも素敵な本を読むと、苦しくなる

憧れと驚愕、恐れ、激しく揺さぶられたことで波のように荒れる内面

読書は自分の好きなときに、好きなように触れ味わい、掻き乱すところが性的だなとたまに思う。距離は限りなく近く、間には何も入らない

 

 

 

 

去年の今ごろに書いたブログを読んでみたら、のんびりしてて、たった一年なのにな…。どんな風に過ごしてたんだろうと思って、ちょっと悲しくなった

平穏でいられるように望むのに、自分が自分をいつも平気で裏切る

動くものと接すると、ついていけなくて気持ちが壊れそうになる

変わらないもの、ずっとそこにあり続けるものに、深く救われる。本や映画もそう。いなくならないし、望めばずっと側にいてくれる。何年も同じ事を続けていたり、いる場所が一緒の人は安心する。私もそうなりたいと憧れる

 

 

 

人混みの中を歩き、こんなに沢山の人たちがいて、色んな事情があるのだろうけど、みんな一生懸命生きてるんだろうなぁと感じる。居場所を見つけ、自己を模索し、相手と認めあいながら交わす想いの狭間に見え隠れする存在の意義は、常に揺れ動いている

 

 

 

 

今年が始まってから、本を積極的に読むようになった。久しぶりに沢山読んでるけど、本当に楽しい

映画とはまた違った魅力があり、毎日読む時間が足りないくらい…

最近読んだ中では、『西瓜糖の日々』で甘くとろけて、『完璧な病室』では小川洋子さんの原点に帰ってきたような気がして、深く感動した

『日々の泡』は、今まで読んだ恋愛のお話で一番かもしれない。大好きになった

西瓜糖の日々は、リチャード・ブローティガンさんの作品。村上春樹さんと小川洋子さんお二方が影響を受けたとおっしゃってたので、ずっと読みたくてやっと読むことができた。好きな人達が、おすすめしてる本は積極的に読んでいきたいなぁと思う

 

あと初めて読んでびっくりしたのが、レイ・ブラッドベリさんの『とうに夜半を過ぎて』という短編集

『いつ果てるともしれぬ春の日』は、この本の二番目の作品。誰かが、短編集は二つ目に一番面白いものを置くらしいと言っていて、今まで読んできた本はどうだったかな…?と考えたりした

 

殺風景で平らな土
時間も空気の流れさえ、止まったよう
塔は脆く崩れ、粒子は浮かぶ
砂漠を歩きながら、見えない何かに追われてるような不可思議な気持ちになるお話たち。
起承転結がはっきりしていて、情景描写を描きやすく、続けて読むとめくるめくショートムービーのよう
多彩な設定や比喩のわかりやすさも魅力的で、すぐ物語に入り込める。ラスト一文でうち砕かれるかもしれない雰囲気も気持ちいい


青白い炎、溶岩蠢く火山、水晶、月の裏側。

かけ離れてる世界に吸い込まれ、その美しさの中に浮遊してるよう

『灼ける男』『第五号ロボットGBS』特に好きだった。今までSFは読んだことなく、初めてだったけど新しい感覚に興奮した

今年はディストピアとSFをたくさん読んでみたいなぁと思う

 

 

 

桜ももうすぐ咲いて、春があっというまに去り、きっとそのうち夏が手を引っ張ってくるんだろうなぁ…。生暖かい水色の液体を被ったような暑い季節は、ぼんやり、ふわふわなってしまう

図書館にもたくさん行って、冷たいコーヒー飲みながら、涼しげに飛び越えたいな

私のなかで、春という季節は風で舞う桜の花びらや、振り返ったとき足跡さえ消えてるような日々の儚い刹那を、薄く積み重ねながら生きているように思う