瀕死

「あなたたちの恋愛は瀕死」

この作品は、川上未映子さんの乳と卵の中にある、もうひとつの短編です

 

まず題名が、秀逸

突き放したような冷たさと諦めがこの一言に込められていて、声に出して言ってみたときの、力加減がすごくいい

けして強すぎない、女性らしさを感じるところ

 

有名なお話のあとだし、続けて読む人も多いんだろうなぁと思うけど、私は乳と卵よりもこちらの方が好きでした

 

都会に吐き捨てられたガムのような自意識の崩壊

見向きもされない、女性のうぬぼれや色とりどりの鳥の羽のような洋服、難しくセットした髪、一寸の隙もない肌をこてこてにしたメイク

女性であるから、身を着飾る大切さや一生懸命さ、そこに込める思いや期待もよく理解できる

だからこそ、このお話は重いもので頭を殴られるような感じがして激しく動揺した

 

ここまで思いきりがいいと逆にすがすがしく、最後のページを読み終えたあと、すごいなぁとつぶやいてしまった

本当は、そんなもの脱いでしまいたいと思ってるのかな

きっと一生つきまとう女としての品格や美意識

それを一蹴してくれたとこに拍手をしたかったのかもしれない

 

だけど、瀕死になろうとも今日も鏡をみて、髪を整え綺麗にメイクをし、お気に入りの洋服を纏って、駆け出してしまうのです